「愚者は経験から学び、賢者は歴史に学ぶ 」はおかしい

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愚者は経験から学び、賢者は歴史に学ぶ?

この言葉、プロイセン、そしてのちの統一ドイツの鉄血宰相ビスマルクの言葉と言われていますが、みなさん、腹落ちする言葉でしょうか。

個人的には、若い頃、一時、意識高い系になろうともがいていた時には、そうだそうだ、過去の人間の失敗も活かせないなんて間が抜けている、と本気で思ってたりしていたようなかすかな記憶があります。

しかし、色んな人間と出会う中で、この言葉は、ほとんどの場合、あまり役に立たないのでは、と思えてきました。

私には、歌を作る友人がいますが、彼女は、日常生活や子育ての中で沸き起こってきた感情を歌詞にしています。

自分の五感で受け止めたことを言葉にするので、歌詞の力強さ、説得力が圧倒的で、歌を聞くと涙が込み上げてきます。

一方、ねえねえ知ってる?と、どこかで聞いてきた話を聞かせられるのとは全く違った体験になります。

自らの経験を話す人間には説得力がありますよね。

ビスマルクの本当の言葉

実は、ビスマルクの元々の言葉は、

“Nur ein Idiot glaubt,aus den eigenen Erfahrungen zu lernen.Ich ziehe es vor,aus den Erfahrungen anderer zu lernen,um von vorneherein eigene Fehler zu vermeiden.”

で、「自分の経験から学べると思ってるのはバカだけ。私は、そもそも自分が失敗しないために、他の人の経験から学びたいのです。」となります。

これであれば、当時の第一次世界大戦へと突入する、些細な判断ミスが国家の存亡を左右するような状況においては、とても納得感のある発言だと思えます。

「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」って、すごい深い言葉になってしまい、それ故に印象に残って広まったんでしょう。どなたかがこれを超訳と呼んでおりましたが、まさに、そう思います。

深い言葉ではあるけれど、実践に落とし込む際には、膨大な歴史をどう学ばなければならないのか、どれだけ学ばなければならないのか、と呆然としてしまいます。

けれど、元々ビスマルクが発言していたとおり、身近な誰かの経験を見て、失敗を避けるのは、皆さん既にされているでしょうし、難しくは感じません。

ひろゆきと対峙する岩崎恭子選手の言葉

史上最年少で金メダルを獲得した岩崎恭子選手は、二十歳で引退し、その後、水泳指導や講演会をしているそうです。

彼女の、自分の経験を語る言葉は、非常に説得力があります。

演繹的に話すひろゆき氏の、多少意地悪にも聞こえる問いかけにも、逃げるでもなく、真正面から答えています。

自らの体でやってきたことが言葉で出てくるので、知見の広さで分かったような話し方をするひろゆき氏の言葉が上っ面に聞こえてしまいます。

ひと昔でいえば、テレビで見た話ばかりするのは、話題には尽きないけれど、説得力のある話は出てこない、ということでしょうね。

今時で言えば、スマホで色んな話を目にするので、日常的にインプットされる情報量としては非常に増えているけれど、体験として刻み込まれていないので、力のある言葉は出てこない。

百聞は一見にしかず(自分の目で)というのは今も昔も変わらないでしょう。

「選挙の前と、戦争の最中と、狩りの後ほど嘘をつくことなんてない」

“People never lie so much as before an election, during a war, or after a hunt.”

ビスマルク氏の色々な発言の中で、もう一つ面白いものを発見してしまいました。

とてもウィットに富んでいますし、100年以上前の人物による発言ですが、今も全く色褪せません。

選挙前の公約がないがしろにされるというのは、何世代にも亘って繰り返されてきた歴史なんですね。

戦争中、両陣営がどれだけ国民、そして国際的に嘘を付き続けるのか、これも、イラク戦争、ウクライナ戦争を見てきた若い世代も痛感しているでしょう。

「最も力強い戦士は、忍耐と時間経過である」byトルストイ

「The two most powerful warriors are patience and time.」

余談ですが、ビスマルク氏の発言を調べている際に、目に留まってしまったトルストイの言葉です。

これを読んだ瞬間、背筋が凍りました。

ロシアの精神的背景に、この思想が流れているとしたら、ウクライナ戦争は、長いものになり、ウクライナ、ロシア、どちらにも甚大な被害が出続けるでしょう。

ビスマルクはオーストリアとの戦いを、寛大な

まとめ

最後に、2022年の今どきの感覚で鉄血宰相ビスマルクの名言を再構成するとどんな言葉になるか、三日三晩考え抜いた末に出てきた言葉をお送りします。

愚者は経験を恐れ
常人は経験からも学ばず
説得力のある人間は経験から学び
要領のいい人間はGoogleから学び
賢者は歴史に学ぶ

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